独ヘッセン州議会選:連立与党がまたも大敗-連邦議会での連立は?

国際情勢

独ヘッセン州議会選:連立与党がまたも大敗、メルケル首相に痛手

28日の独ヘッセン州議会選挙でメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)と、国政での連立与党・社会民主党(SPD)が共に大敗した。

今年3月に心ならずも政権に加わったSPDは、ヘッセン州の得票率が第2次世界大戦後最悪となったことを受け、連立離脱の可能性をほのめかした。

得票率

 2018年2013年投票結果変化
CDU27.20%38.30%-11.10%
SPD19.80%30.70%-10.90%
緑の党19.60%11.10%8.50%
AfD13.20%4.10%9.10%
自由民主党(FDP)7.70%5.00%2.70%
左派党6.10%5.20%0.90%

ヘッセン州はドイツ中西部にあります。

ヘッセン州に限って言えば、緑の党を加えたCDU主導の連立政権は、自由民主党(FDP)などを新たに加えて維持される可能性が高いとみられているようです。

得票率を見ると、中道右派のCDUなどと中道左派のSPDの得票が下がっている代わりに、緑の党とAfDが伸びています。

真ん中から、両サイドに票が散ったということでしょうか。

AfDが伸びたのは、難民政策が関係しているのでしょうけれど、緑の党が伸びているのは良くわかりません。

SPDのナーレス党首は、「政府には短期的な政策指針が必要であり、SPDが引き続き連立にとどまるかどうかはその実施次第だ」と言っています。

連邦での連立がどうなるのかは今後注目したいところ。

 

↓は14日のバイエルン州議会選挙で連立与党が負けたときに投稿したもの。

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独バイエルン州で与党大敗 難民巡る「決断」で苦境続く

ドイツ南部バイエルン州の州議会選が14日あり、戦後50年以上にわたり単独過半数の立場にあったメルケル政権の与党が歴史的大敗を喫した。

与党キリスト教社会同盟(CSU)の得票率は37・2%。第1党は維持したが、2013年の前回より10ポイント以上落とし、過半数割れは確実になった。

難民排斥を訴える新興右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は10・2%で初めて同州議会で議席を得る見通しだ。野党・緑の党は17・5%で第2党の地位を確保した。

現在のドイツの政権は、メルケル首相が党首のキリスト教民主同盟(CDU)とキリスト教社会同盟(CSU)、及び社会民主党(SPD)の連立政権。

CSUは、バイエルン地方の地域政党的な位置づけで、一方のCDUはここでの活動は行っていません。

CSUはお膝元であるバイエルンの州議会選で負けてしまった、ということになります。

理由は、以前から言われてきた難民問題。バイエルン州はドイツの南部にあって、リヒテンシュタイン、オーストリア、チェコと国境を接していますが、そこから多くの難民が流入して来るのだとか。

バイエルン州の住民としては受け入れがたく、与党内でも受け入れに積極的なメルケル首相と対立があって、この辺が影響したのではないかと言われています。

 

バイエルン

 

一方極右政党と言われているドイツのための選択肢(AfD)が、議席を得ると予想されています。

元々は、ギリシャ危機の時に、経済学者らがメルケルの金融政策に異を唱えたことが結党のきっかけになっています。

このAfD、「EUに懐疑的」「難民制限」ということを言っていて、極右政党扱いを受けています。

ただ「難民受け入れ数に上限を設ける」ということであって、難民受け入れ完全拒否ということでは無いみたいです。

「移民難民」について、制限的なことを掲げると「排外主義」「極右」と言われてしまうのは、米トランプ氏、仏ルペン氏も同じこと。

「極右」というほど極端ではないような気がしますが、何故かこのように言われてしまいます。

 

既存政党とメディアが、AfDをどのように扱っているかは、川口マーン惠美氏が以下の記事に書いています。

“自由なドイツ”の裏で進む言論統制の中身

既存政党とメディアはそのAfDを蛇蝎(だかつ)のように扱い、あらゆる手段を使って勢力伸長を妨害した。AfDはテレビのトークショーでもちゃんとした発言の機会を与えられず、タブーであった「ナチ」という言葉さえ投げつけられた。

と書いていて、この辺は米トランプ氏、仏ルペン氏(ついでに安倍総理も?)の扱われ方と似ている気がしています。

因みに政策的には

しかし、彼らの難民政策と経済政策、そしてエネルギー政策は、CDUのものよりも矛盾が少なく現実的だ。スタンスはどちらかというと反グローバリズムだが、保護主義とは違う。

としています。

 

ドイツも米も(日本も)、どちらかというと「リベラル」と言われている人たちが、自分たちと違う主張は認めない傾向にあるように見えます。

普段、言論の自由、多様な言論を訴えている筈なのに一体どういうことなのでしょうね。

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