日中両政府は安倍晋三首相の中国訪問に合わせ、両国企業の決済システム安定のため、円と人民元を融通し合う通貨交換(スワップ)協定を約5年ぶりに再開する方針を固めた。
首相は訪問先で自由貿易体制への支持を訴えるなど、欧州諸国との関係強化に腐心。欧州の中国に対する警戒感を念頭に、日本の「質の高いインフラ」で中国との差別化をアピールした。
この2つのニュースを見て、安倍総理の対中政策がどういうものかわからなくなってきました。
上の方の記事では、対中スワップ再開の背景は、日本の経済界から再開を望む声が多かったためと伝えています。
日中関係改善で、対中投資を増やすことを見込んでいるとの事。
米の対中政策が大きく変わっているのに、まだ対中投資を増やそうとしている企業がいるとはどういうことなのでしょうか。わかりません。
中国の人件費上昇、米中貿易摩擦等で、日本企業はASEANなどへのシフトを進めているのではないかと思っていましたが違っていたのですかね。
(既に進出している日本企業救済のための協定なら良いのですが)
ASEANも、南アジアも、アフリカも、中国によるインフラ投資には反発が出てきています。一帯一路に対しては、EUも不信感を持っています。
こんな状況でのスワップ再開は、米も含めて周辺国の不信を招かないかどうか心配です。
一方で、下のニュースでは
「過剰生産能力や、強制的な技術移転要求など、市場歪曲(わいきょく)的な措置を除去する取り組みが必要だ」。
中国のインフラ投資に対する警戒感について述べていて、欧州とそれを共有するということで、一定の成果を上げています。
アメリカだけに頼らない対中包囲網は良い事だと思います。
であるのに、何故スワップ再開なのか。良く分かりません。矛盾があるように感じます。
最近の中国が対日接近をしてきているのはわかります。これを機に日本側は、日中友好をやりたいのかもしれません。
ただそれは「今だけ」の事、という認識も必要なのではないでしょうか。
環境が変われば、また反日にシフトすることはあり得ます。それは歴史を見ればわかる筈です。