台湾籍元日本兵・軍属は、戦争中は「日本人」として約20万人以上が従軍し、3万人以上が戦死した。だが戦後、台湾が日本領でなくなったため、十分な補償を今も受けられないままだ。
この記事を見ると、弔慰金や戦時郵便貯金の支払いは全く行われなかった訳ではなさそうですが、ちょっと少ない感じですね。
一応中華民国とは「日華平和条約」を締結して、請求権は放棄されているのですが、日中国交正常化によって、この条約は事実上無効な状態になっているわけですね。
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台湾との間の財産・請求権の問題については、日華平和条約において、日本政府と中華民国政府の間の特別取極の主題とすることが定められたが、その後、日中国交正常化が実現したため、日華平和条約はその存続の意義を失い終了したため、そのような処理を行うことができなくなった。
心情的には何とかならないものかと思うところはあります。ただ法的には別の枠組みが必要になって来るのではないのでしょうか。それこそ、基金とか。
例の慰安婦合意で10億円が拠出されていますが、もっと有効な使い方は無いのでしょうか。
記事の中で、2人の台湾人の方が今の心境を語ってくれています。
軍属としてミャンマーなどで従軍した趙中秋(ちょう・ちゅうしゅう)さん(90)
「僕は日本人として命がけで働き、日本人としての責任を果たした。軍属として最前線まで行った。兵隊以上の仕事をしてきた。(日本政府は)日本人には補償をする。台湾人は(日本国のために)尽くさなかったというのですか? 不公平だ。
上海の陸軍病院で従軍看護婦だった廖淑霞(りょう・しゅくか)さん(90)
「皇民訓 君ノ為ニハ血ヲ流セ」。「天皇のためには血を流せと書いてある。私たち、学校で尽忠報国(忠節を尽くし、国から受けた恩に報いること)と教えられた。私の夫も日本のために志願した。日本は皇民化に成功したよ。戦争は間違ってるね。
どちらも、かつて日本人として日本のために命を懸けて戦ってくれたんだという事が伺えます。
ただ単に、「謝罪しろ倍賞しろ」ではなく、いかに自分らが日本のために戦ったかという事を語ってくれる台湾の人たち。
本当の意味で、戦争が如何にばかげているかを語ってくれる人たち。本当に感謝しなければいけませんね。
賠償の件に限らず、この人達にとって今の日本はどのように見えるのでしょう。
親日的な人が多いと言われている台湾ですが、今のままの日本がずっと続くのであれば、彼らは何のために戦ったのかわからなくなってしまうのではないでしょうか。