米商務省は29日、安全保障上の脅威を理由に、中国の半導体メーカー、福建省晋華集成電路への輸出を制限する措置を30日から実施すると発表した。米国と中国の貿易摩擦はハイテク技術をめぐる覇権争いを背景に激化、輸出制限は新たな火種に発展しそうだ。
米商務省は知的財産権の侵害を念頭に、同社の活動が「米軍事システムに不可欠な部品供給者の長期的な経済活力を脅かす」と指摘。米輸出管理規則(EAR)に基づき、同社への輸出を制限すべきだと判断した。
*一連の米中貿易戦争に関連する投稿
中国、米国からのLPガス輸入停止 中東が代替調達先に 10/10記
米国との貿易戦争の影響で中国の米国からの液化石油ガス(LPG)の輸入が止まった。中東が代替調達先となっている。
2017年の米国からのLPガス輸入量は約360万トンで、中国にとって2番目に重要な調達先だった。
しかし、2018年に入り、米国との貿易摩擦が深刻化し、LPガスを含む300品目以上の米製品に追加関税を発動した8月下旬には輸入が途絶えた。
コンサルティング会社FGEのOng Han Wee氏は、8月下旬の追加関税発動以降、米国のLPG貨物は一切、中国に荷揚げされていないと指摘した。
アナリストによると、米国から調達できなくなった分はアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、クウェートから調達しているもようだ。
*関連ニュース
「持久戦に備える」「世界に破壊的な影響」 中国の有識者は米中貿易戦争をどう見ているのか?
米、対中追加関税を23日発動へ 160億ドル相当 8/8記
米通商代表部(USTR)は7日、中国からの輸入品160億ドル、279品目に25%の追加関税を課すと発表した。23日に発動する。
米中貿易摩擦が激化しています。中国の知的財産侵害に対する制裁関税としては第2弾になるようです。
これまでの経緯、品目、額は以下の図のようになっています。
【図解・国際】米中による追加関税の主な品目(2018年7月)
中国側も既に、同じ規模の報復関税を実施すると表明していて、これからさらに激化していくのでしょうか。
このままチキンレースのような事になったら、いったいどういう事になるのか。
単純にどちらが勝つか、という事になればそれはアメリカ側でしょう。
米国の対中輸入額が、対中輸出の4倍くらいあるのです。貿易額の大きさが違うので、中国側がかけることができる関税の額が限られてしまうようなのです。
そうなると中国は保有する米国債を、売却するのではないかという懸念が、米国内からも出ているのですが、いざとなれば「国際緊急経済権限法(IEEPA法)」で米国債を無効にできるらしいのです。
Business Journal;渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」
アメリカには、「国際緊急経済権限法(IEEPA法)」というものがある。これは、安全保障や経済などの面でアメリカに対して重大な脅威を与える対象に金融制裁を科すというものだ。
ただ、米中だけで勝手に争っている分には「勝手にしてくれ」と言った感じなのですが、世界経済全体への影響はどうなるでしょうね。
特に日本へ影響はどうなるのでしょう。
日本は既にアメリカとの貿易戦争は経験しているので、ある意味耐性が出来ているとも言えます。
それに希望的に言えば、今まで米国が中国から輸入していた物を日本から買うようになるかもしれませんし。