「コドモノミクス」で野党結集=国民玉木氏
国民民主党の玉木雄一郎共同代表は23日のネット番組で、少子化対策として3人目を出産した家庭に1000万円を給付するとした自身の政策を「コドモノミクス」と名付けた。
石破氏、訪日客8000万人目指す=アベノミクスと一線-自民総裁選
訪日外国人客数を8000万人に増やすことや、中央省庁と企業の本社機能の移転を打ち出した。「大都市や大企業の経済成長の果実を地方や中小企業に波及させる考えは採らない」と述べ、安倍晋三首相が進めるアベノミクスと一線を画す考えを示した。
記事が伝えているだけなので、細かいところ(実現のための方策)は書いてはいないのですが、玉木氏にしろ石破氏にしろ何故か「アベノミクスに代わる」とか「アベノミクスへの否定」とかになってしまっています。
「アベノミクス」というのは、金融、財政、規制緩和のマクロ経済政策に対して、勝手にそういう名前を付けただけで、安倍政権独自の政策ではない筈です。
ということは、「アベノミクス」を否定することは、マクロ経済政策そのものを否定することになってしまうのです。
現政権の政策にもおかしなところはあります。民間企業に向かって「給料上げろ」と言いながら、第3の矢で「外国人労働者受入推進」という日本人の給料が下がってしまうかもしれないようなことをやっています。
第2の矢では、学校耐震、防災にはなかなか財政出動が行われていなかったり。
ただ、それがイコール「アベノミクスの否定」という話にはならない筈です。要は財政は「やっていない、足りていない」、規制緩和は「奇妙」という事だと思います。
玉木氏の「コドモノミクス」は再分配の話なので、マクロ経済政策とは関係ない話。
石破氏の「訪日客8000万人」は必要性を感じませんが、「地方創生」とりわけ、行政や民間企業の分散の必要性は感じています。
ではそのお金はどこから出すのでしょう?財政出動で賄うのか、増税で賄うのか、耳障りの良い「無駄を削って」で賄うのでしょうか。
民主党政権の時に、耳障りの良いことを並べて「財源は?」と批判されていたことを石破氏はどう思っているのでしょうか。
本当は、金融政策であれば、目標が「コアCPI2%」で良いのかどうかを議論して欲しいです。
財政政策では、「財政をいくら出して、どの分野に出すのか」を議論して欲しいです。
消費増税は、財政政策的には緊縮方向です。現政権は「延期」でごまかしているとも言えます。
では、玉木氏や石破氏はどうするのでしょう。元々消費増税は、野田政権の時に与野党3党合意して決まった事。彼らも賛成した筈です。
こうなると、小池百合子氏はましな方だったのかもしれません。
選挙の時は、かなり激しく「アベノミクス」批判をしていましたが、当初はそこまでではありませんでした。
「希望の党」の公約を出すとき
消費増税凍結、憲法改正など三本柱 希望の党が公約「ユリノミクス」も提起
「これまでのアベノミクスに代わってと言うか、加えてと言ったほうが正しいかもしれないが、マクロ経済に人々の気持ちを入れ込んだ『ユリミクス』とでも称する政策を入れ込んでいきたい」
「アベノミクスに代わって」という言い方ではなく、「加えて」という言い方をしています。一応マクロ経済政策自体は否定はしていません。
兎に角、再分配をしようにも無い袖は振れないわけで、その袖を振るためにはマクロ経済をやらなければならないわけです。
そこを否定してたら、結局はぐるぐる回りながら縮小していくだけのような気がします。
マクロ経済政策と再分配政策は相反するものではなく同時にやるべき話だと思います。